骨盤の前傾

 

座位.jpg骨盤の前傾を意識するには、座った姿勢のほうが実感しやすいかもしれません。

 

椅子に座り、背中を丸める・胸をはる動作を交互にしてみて下さい。

 

その時の椅子に当たるお尻の骨(座骨)の感覚に意識を持っていってみて下さい。

 


骨盤左側面.jpg椅子とお尻の骨の当たる部分が移動しているのが分かるでしょうか?

 

背中を丸めたときは座骨の後ろ側が接地して、胸をはった時は座骨の真下からやや前側が接地していると思います。

 


胸をはって、骨盤が前傾している状態が、立っている時の理想的な姿勢のときの状態に近くなります。

 

試しに、そこから立ち上がってみて下さい。立ち上がる寸前、骨盤はもっとも前傾しています前に進むためには骨盤の前傾が必要な事が分かると思います。背中を丸めた状態では立つ事はできないと思います。


ちなみに、この骨盤の前傾をするためきっかけを作る筋肉は大腰筋です。いわゆるインナーマッスルと呼ばれるような深層の筋肉ですが背骨・関節に近い筋肉ほど動きや姿勢にには大切になってきます。


常歩(なみあし):合理的な体の使い方についてはこちら

股関節の外旋

骨盤の前傾が姿勢・動作に大切であるということを説明してきました。ここでは更に進んで、股関節の外旋について説明したいと思います。

 

この股関節の外旋は常歩の中核をなす概念です。

 

股関節内外旋.jpg

まず股関節の外旋とはどういう動作をいうのか?


図のように、股関節と膝の位置は変わらずに、大腿骨(太ももの骨)がくるんと回転するような動きを指します。

例えば、あぐらをかいている時は股関節外旋で、いわゆる女の子座りをしている時は股関節内旋になっています。





深層外旋六筋.jpg

股関節外旋に働く筋肉は、深層外旋六筋があります。また大腰筋も股関節の外旋作用があります。


一方、股関節内旋に主に働く筋肉は小殿筋のみです。






hip joint1.jpg立って、片足の股関節(図の黒)を外旋してみて下さい。つま先(図の)を外に向けるような動きです。




hip joint2.jpg

大転子(太ももの付け根の出っ張り)を触って、股関節がちゃんと動いているのを確認して下さい。




hip joint3.jpg

次に、片足で立って、立っている方の足で同じように股関節を外旋してみて下さい。できましたか?同じ動作をした時に、体はどう動きましたか?立っている側の骨盤(図の)が前に回転していきませんでしたか?この、骨盤の前への動きが大事なのです。支持脚(立っている足)を軸にして骨盤(重心)を前方に送り出すには股関節の外旋が重要になります。


骨盤の前傾・股関節の外旋で重心を前におくりだすことで、体重のスムーズな移動ができるようになります。


エラシコ.jpg

重心が支持脚の前方へ移動すれば、体は前に倒れていきます。


そして反対の足に体重が移動していきます。


その繰り返しが歩行・走行になっていきます。




常歩(なみあし):合理的な体の使い方についてはこちら

常歩(なみあし)合理的な体の使い方

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