背骨は、首７個、胸１２個、腰５個の２４個あり、その上には後頭骨という頭の骨が、下には仙骨という土台の骨があります。仙骨は腸骨（いわゆる骨盤）という骨に挟まれて支えられています。

背骨どうしは、椎間板という円板と、二つの椎間関節という関節によって３つのつなぎ目でつながれています。

背骨には生理的弯曲（Ｓ字カーブ）というものがあります。

首と腰が反っていて、背中が丸まっているのがそうです。

このカーブによって、体重をうまく分散させています。

物理的にも、カーブがない場合に支えられる重さを１とすると、

支えられる重さ＝（カーブの数）×（カーブの数）＋１　という式が証明されています。

すなわち、カーブが１つあると２倍、

２つあると５倍、

３つあると１０倍もの重さに耐えられるのです。

このカーブがきついと運動性は大きくなります。しかし、動きすぎると痛みを出すことがあります。

このカーブが少ないと安定性は大きくなります。しかし、体重をうまく分散することができません。

ちょうどいいくらいのバランスが大切です。

関節には、いまどのくらいの角度なのか？地面に対してどれくらい傾いているのか？などを感知するセンサーが付いています。解剖学的には固有受容器といいます。

固有受容器からの情報を脳がキャッチして、筋肉や靭帯に命令を出して、運動を調節したり、姿勢を調節していきます。

この固有受容器は、関節が動くことによって情報を送り出し始めます。関節が動いていないと情報をあまり送らなくなります。

背骨は２４個ありますが、２４個ともバランスよく動いてくれればよいのですが、その人の動き方の癖や姿勢によって、ちゃんと動いているところと、うまく動かないところができて来ます。

そうすると、動いていないところの関節からは情報が送られなくなり、周りの筋肉・靭帯もうまく働いてくれなくなります。

反対に、ちゃんと動いていたところは、動かないところの分まで余計に動かないといけなくなりますので、筋肉は疲れてしまいますし、関節が痛み出すこともあります。

これは、背骨だけでなく、足首や、足の裏の関節、手先の関節との関係に対しても同じことが言えます。

また、足首の捻挫や、交通事故などによるムチ打ちによっても、固有受容器はダメージを受けます。

そうすると、関節の状態や筋肉にも悪影響を出します。

このように、関節がきちんと動いて、神経がしっかり流れていないと全身に影響が出てきます。